Mike Portnoy ギア紹介動画和訳 2015年11月 Gear Gods
初出:2016年4月 別ブログで投稿
My Japanese translation of the Mike Portnoy (website) gear rundown video.
The original video: Gear Gods YouTube, November 5th 2015
マイク・ポートノイ Mike Portnoy(サイト)ギア紹介動画の和訳です。
動画:Gear Gods YouTube で2015年11月5日公開
画面右下の歯車マーク「設定」から自動生成の英語字幕を設定できます。
(自動生成の字幕は実際に言っている通りではない部分もあります。
訳者は聞き取った英語を和訳しています。しかし字幕も参照させてもらっています!)
※2015年11月のギア情報です。
This gear information is as of November 2015.
(訳注:Gear Godsのギア紹介動画では、最初に自己紹介したあと
"...and you are geeking out with (at) the Gear Gods."
「……そして、あなたがこのオタク情報を楽しんでいるのはGear Gods」
と言う定番のせりふがあります)
やあ、調子はどう?マイク・ポートノイだよ。
そして、あなたがこのオタク情報を楽しんでいるのは……いや実際のところ、「俺たちが」「一緒に」このオタク情報を楽しんでいるのは、Gear Gods!(指パッチン☆)
The Winery Dogs(サイト)の "Double Down" 世界ツアーで、
(訳注:2015年10月2日発売のアルバム2作目 "Hot Streak"(意味「連勝」)のツアーで "Double Down"「賭け金を倍にする」というツアー名)
カリフォルニア州アナハイムの The House of Blues(2015年11月3日(火)の会場)からお届けしているよ。
ここアメリカがこの世界ツアーで最初のコースで、俺たちはその真っ最中、すべてがうまく行っているよ。
そして……俺の新しいキットを見せるよ。
「K-9(ケイ-ナイン)モンスター」と呼んでるんだ。K、ダッシュ(-)、9、で「K-9」だよ。The Winery Dogsのキットだから。
(訳注: Ian Dunbar博士考案、犬と飼い主のためのトレーニングプログラム「K9ゲーム」が由来。ポートノイ氏は愛犬家)
最初のThe Winery Dogsツアー(訳注:2013年7月16日に日本の大阪公演からスタート。翌17日の東京公演は、たった2回目のライヴにしてDVD "Unleashed In Japan" を撮影! amazon )を追ってくれた人は知っての通り、5ピースのジョン・ボーナム John Bonham タイプのキットを叩いてたけど、今回はステップアップして、キットをちょっと拡大して、もっと大きい、2バスのセットアップにしたかったんだ。そんなわけで……すごくクールなセットアップだよ。でもレトロで、「古き良き」的なものでもあるんだ。
タムは全部シングルヘッドにしてあるよ。
(訳注:シングルヘッド = タムの打面だけにヘッド(ドラムに張るスキン)を張り、底面にはヘッドを張らない状態。通常は打面にも底面にもヘッドを張り打撃の振動を全体に伝え共鳴させ音を出す。底面のヘッドを外すと、打撃音だけになる。共鳴、余韻はなくなるが、アタック感は強くなる)
8インチ、10インチ、12インチ、13インチ。
すごく「古き良き」的なもので、'70年代にピーター・クリス Peter Criss、Queenのロジャー・テイラー Roger Taylor、アレックス・ヴァン・ヘイレン Alex Van Halen、俺の好きなドラマーたちがみんなやってたんだ。シングルヘッドのタムは'70年代にはクールなことだったんだけど、最近はやってる人があまりいないから、このキットで世に紹介してみようと思ったんだ。
TAMA Starclassic Bubingaキットで、俺のシグネイチャースネアが付いてるよ。
(訳注:娘Melodyさんの名前から命名 Melody Master TAMAサイトのページ )
キットに合うようにシルバーにカスタマイズしてくれたんだ。
これは12インチで、スティールだよ。
(訳注:スティール steel = 鋼 のスネアドラム = サウンドはキレがありパワフル)
こっちは14インチのブビンガ。
(訳注:ブビンガ/英語発音バビンガ bubinga = アフリカ熱帯雨林産、マメ科ジャケツイバラ亜科ブビンガ属の常緑広葉樹。成長すると高さ20m級、直径2~3mの巨木になり、硬く重い。サウンドは中低音域に優れパワフル)
Melody Masterは今でも一般販売されてるけど、通常は黒しかないところ、キットに合わせてTAMAがシルバーにカスタマイズしてくれたんだ。
そして、ヘッドはREMO製の黒ドット付きのもの。
(訳注: 「ドット dot = 点」があるタイプのドラムヘッド = ドットシールを貼ることで耐久性アップ、サウンドは余分な倍音を抑え、アタック感が出る)
REMOが、The Winery Dogsの犬の足プリントを入れてカスタマイズしてくれてるんだ。だから、この犬の足プリント入りヘッドが手に入る唯一の場所は、このツアーの物販スタンドだよ。俺が使用済のヘッドを置いてるんだ。
でも、このツアーだけでしか手に入らないと言っても、黒ドットは「古き良き」精神を留めるものでもあるんだ。シングルヘッドの精神もあわせて、一種の、レトロなサウンドだよ。
最初のThe Winery Dogsキットと違ってキット全体がラックに収めてある。前回のツアーではただ立ててあるだけで俺が毎晩ぶっ壊せたわけだけど、今回はラックシステムで俺が公演の最後に破壊するのを予防、俺のドラムテックは大満足してるよ。
シンバルのセットアップを見てもらうと、って(カメラさんが移動しようとしたので)ここにいてよ、どこにも行かないでよ(笑)。シンバルは左右対称なセットアップにしてある。
それで……俺の演奏のやり方として……
(椅子に座る)クラッシュ、スプラッシュ、チャイナ、クラッシュ、両側が同じできっちり左右対称にしてある。
(手で示しながら)前方のクラッシュ、前方のチャイナ、前方のスプラッシュ。
ここにあるのは(SABIAN製)22インチのArtisan Ride。
ここにあるのは14インチのAAX Vault Hats。
これは俺のシグネイチャーモデル、Max Splash シンバル。
(訳注:息子Maxさんの名前から命名。SABIANサイトには現在掲載がない。販売は楽器店にて新品や中古の在庫ある限り。
デモ動画 )
それから、俺のシグネイチャーモデル、Max Stax。
(訳注:息子Maxさんの名前から命名。SABIANサイトのページ )
それから、Radia bell(HH Radia Cup Chimes)。
向こうにO-ZONEクラッシュ(18インチ AAX O-ZONE Crash)があるけど、これを持ってる理由はただ1つ。
このトリックができるからだよ。
(シンバルにあいている穴にドラムスティックを1本引っかける)
スタンバイ。頭上注意。
気を付けろ!(シンバル一撃)
(宙を舞うドラムスティック!)
(見事キャッチ!)へへ!
で、今カウベルの音も聞こえたと思うけど、下を見るとカウベルがあって、左足で鳴らしてるよ。
アルバム("Hot Streak")ではシェイカーとかカウベルとかパーカッションをたくさんやってるけど、"Empire"(Spotify)の最後で「目立つカウベル」があって、ウィル・フェレル Will Ferrell が大いに誇りに思ってくれるだろう!
(訳注: アメリカのテレビお笑い番組 "Saturday Night Live" 内のコント(2000年)が由来。
バンド Blue Öyster Cult(実在バンドと同じ名前だが本物メンバーは出演していない)がカリスマプロデューサーと共にスタジオで "(Don't Fear) The Reaper"(実際のBlue Öyster Cultの曲)レコーディングに臨むが、ジーン・フレンクル Gene Frenkleというメンバーがカウベルで乱舞、他のメンバーたちが戸惑う。
このカウベル奏者を演じているのが、上記でポートノイ氏が言っているウィル・フェレル Will Ferrell。
この暴れるカウベルに対し、カリスマプロデューサーは止めるどころか逆に「もっとカウベルを」"more cowbell" と要求。
このプロデューサーを名優クリストファー・ウォーケン Christoper Walken が怪演。
ブルース・ディッキンソン Bruce Dickinsonという役名。Iron Maiden のシンガーと同じだがなぜそうなったかは謎。
のちにトーク番組の司会者となり知名度を上げるジミー・ファロン Jimmy Fallonがドラマー役で出演。素で笑ってしまったりしている)
それで……ライヴでカウベルがないなんて物足りない!というわけで、足で鳴らすカウベルを付けることにしたんだ。
(位置を示すため赤枠を入れさせて頂きました)
(椅子に座る)あのサビに来たら、こう……
(鳴らす)
本当にスタジオをぶっ飛ばせるぜ!
(訳注: 先述の "Saturday Night Live" のコントで、プロデューサーがカウベル奏者に「スタジオをぶっ飛ばせ」"explode the studio space" と言う)
スティックは俺の PROMARK 420 だよ。
( PROMARKサイトのページ(日本語)下方 Signature Stick 欄に記載
420は「大麻」のスラングでもあり、ジョーク的にこの表記にしていると思われます)
ドラムヘッドと同じようにThe Winery Dogsロゴのカスタマイズがしてあって、入手方法はこのツアーで俺から渡されるしかない。店頭ではThe Winery Dogsロゴ付きでは売ってないからね。
あー他にみんなが知りたいようなことは何かな。後ろにあるいろいろを見せようか。
(移動)
これは俺の……俺のモニターなんだけど……俺の、ええと……何て言うのこれ(笑)
(Gear Godsの取材者さん?が教えてくれる)
ミキサー!それ!どうもありがとう!(Behringer製Powerplay 16)
The Winery Dogsではモニター担当者を帯同してないんだ。ここをステーションとして管理するのはとてもクールだよ。俺たちかテックが公演中に操作できるから、モニター担当者に向かって叫んだり手で合図したりしなくていい。プラス、ツアーバスに1つ寝台の空きができる(笑)。
でも本当にすばらしいよ。キック、スネア、ドラム全体、ビリーのベースは3チャンネルある。低音域、アンプの高音域、ベースペダル。それからギター……眼鏡してないから読めねえ!キーボードとアコースティックギター、3人全員のヴォーカル、ビリー、マイク、リッチー、リッチーがピアノにいるときのヴォーカル、トークバック、リヴァーブ。
で、シカゴのVic's Drum ShopのVictor Salazarが作ってくれたカスタム Winery Dogs テーブルに載ってるよ。
それから、自分のクーラーボックスも持ってるよ。今はサウンドチェックの時間だから空っぽだけどね……ってFiji ウォーターが1本あった!ここにはいつも3種類入れてあって、Fiji ウォーター、Vita Coco、 ってライヴ中Vita Cocoを飲んでて、ゲータレードとかはもう飲まなくなったんだけどね、それとO'Doul'sとかそういうノンアルコールビールがいつも1本か2本。
(訳注:ポートノイ氏は過去にアルコール依存症を治療し、徹底した禁酒者。
治療のために取り組んだ「12ステップのプログラム」を曲に表現してDream Theater在籍時に発表)
とにかく、俺のドラムテックがいつもこの中身を補充しておいてくれるよ。
それから、ああ、これを紹介させて。インイヤーモニターだよ。俺たち全員インイヤーモニターを使ってるんだけど、俺のにはカスタマイズでThe Winery Dogsの犬の足がついてるんだ。
そして……ここに、今回のツアーに帯同している特別な物がある。
(移動)
どれぐらい続くかわからないけど、観客のみんなが本当にすばらしい特別な夜には、俺のドラムソロの合間にこのハローキティ・キットが登場するぜ。
ビリーのアンプの後ろに置いといて、俺が本当にライヴの夜を楽しんでいて観客の盛り上がりも感じると、俺はこいつを持ち出して、前に出てちょっとしたドラムソロをやる。それから、たいていソロの終わりにはぶん投げてドラムテックに戻す。だから今はこいつが俺の虐待を受けてるな。ドラムキットがラックシステムに固定されて守られてても、ハローキティが虐待を受ける。あと何回ぐらい続くかわからないよ。
(訳注: 2015年10月7日 Loudwireの企画でポートノイ氏がハローキティの子供用ドラムキットで叩いている曲を当てる動画 が登場。
その後、このキットをThe Winery Dogsツアーでも使用。
ドラムとドラマー間のギャップ、The Winery "Dogs" が「猫ちゃんこんにちは」(Hello Kitty)というジョークに加え、"Kitty" には「猫・子猫」の他に「賭け金の総額」という意味があり、アルバム "Hot Streak"(意味「連勝」)とツアー名 "Double Down"(意味「賭け金を倍にする」)のギャンブル的モチーフにぴったりなシャレ!)
ギア紹介はこんなところかな。キット全体を(前から)見せられないんだ、サポートアクトのKicking Haroldのステージ準備がもうできてるからね。でも、ほら、キット全体の写真や動画がたくさんあるよね。今回はキットを後ろから見る珍しい機会だよ。
これで全部紹介したと思うよ。ドラムの話はしたし、シンバルの話もしたし、スティックの話もしたし、カウベルの話もしたし、ラック、インイヤーモニター、えーと……ミキサー、クーラーボックス、ハローキティ、これで全部を網羅したと思う。
あと、マイクスタンドがあったな。
俺はThe Winery Dogsでよく歌うからテックはきっかけを全部知っておく必要がある。あのマイクはどうやって出たり引っ込んだりしてるんだよ、魔法か?と不思議がってる人がたくさんいるけど、実際は俺のテックだよ。このキットの後ろに座っていて、俺の歌が入るきっかけを全部知っていて、マイクスタンドを俺のところに出したり引っ込めたりしてくれるんだ。
(訳注: このツアーでのドラムテックはエリック・ディスルード Eric Disrude さん。Facebook
Dream Theater "Chaos In Motion" DVD(2008年)に収録の、バンド全員に1ドルの寄付を頼んで払ってもらえるか?というコーナーに登場。
ポートノイ氏が2010年にDream Theaterを脱退後、この2015年のThe Winery Dogsツアーで再会!
他にポートノイ氏と一緒に仕事をする機会が多いドラムテックはホセ・バラキオ Jose Baraquio さん。Twitter )
あー……以上!The Winery Dogs ツアーのK-9 Monster キットはこんな感じだよ。チェックしてくれてありがとう!
ツアーは楽しく続いてるよ。きみ自身で観に来てくれよな!2016年には世界中に行くからね。
(訳注:2016年4月に来日!15日大阪、17日広島、18日名古屋、20 & 21日東京で公演。
20日にポートノイ氏は40代最後の誕生日を日本で迎えました!
きみの最寄りの場所の公演で会えることを願ってるよ。じゃあね!
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