Mike Mangini インタヴュー和訳 2011年7月 RADIO METAL
初出:2020年11月 別ブログに投稿
【背景情報】
ドリームシアター Dream Theater(サイト)創立メンバーでありドラマーのマイク・ポートノイ Mike Portnoy が2010年9月8日、脱退を発表。
Dream Theaterはバンド再建のため、凄腕ドラマー7人を集め2010年10月に新ドラマーオーディションを実施。
その模様をドキュメンタリー映像に収録し2011年4月YouTubeで公開。
Episode 1 動画 :マイク・マンジーニ Mike Mangini
Episode 2 動画 :デレク・ロディ Derek Roddy、トーマス・ラング Thomas Lang、ヴァージル・ドナティ Virgil Donati、マルコ・ミネマン Marco Minnemann
Episode 3 動画 :アキレス・プリースター Aquiles Priester、ピーター・ウィルドアー Peter Wildoer、合格発表
日本語字幕付きの映像がアルバム "A Dramatic Turn Of Events" スペシャル・エディション日本盤(2011年9月発売)(amazon)付属DVDに収録されています。
上記YouTubeやDVDではカットされているマイク・マンジーニとのジャム演奏の映像を収録したUSBがアルバム "Dream Theater" ボックスセット(2013年9月発売)(amazon)に付属しています。
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My Japanese translation of the Mike Mangini interview.
The original English interview: RADIO METAL, July 2011
マイク・マンジーニ Mike Mangini インタヴューの和訳です。
原文:フランスのサイトRADIO METALで2011年7月2日公開 2011年6月8日 電話インタヴュー
インタヴュアー:Philippe Sliwa
DREAM THEATER, THE SPIRIT CARRIES ON - EPISODE 2: MIKE MANGINI
男が2人いれば、意見が2通り、雰囲気も2通り。マイク・ポートノイのDream Theater脱退はひとつの転機となった。いずれにしても、その結果のほどは、音楽の面では私たちは2ヶ月ほどあとには知ることになる。しかし、このバンドでのマイクの突出した影響力の面となると - Dream Theaterが「ポートノイのバンド」という印象であったことは疑いの余地もないだろう。彼の脱退によって、多くの変化や問題が持ち上がった。Radio Metalでは、その点についてのバンドの動向を探ろうと試みた。まずは、このバンドに既にいて、活動を続けることを決意していた人物、ギタリストであり創立メンバーのジョン・ペトルーシ John Petrucci。それから、ショウを続けるべく迎えられた人物、幸運なマイク・マンジーニ。
(写真:原文ページより。撮影者さん不明)
よりどりみどりなドラマーたちのオーディションの様子を伝えるドキュメンタリーに私たちは興味を引かれ、そしてそのドキュメンタリーが、マイク・マンジーニを有能なドラマーとして、そして非常に感じが良く、好ましい人物として歓迎する雰囲気で描かれていることに気が付いた。このインタヴューでの真摯な姿勢からも、その人物描写に異論が唱えられることはないだろう。彼は温かく、積極的で、個人的な逸話についてもよく話してくれ、物惜しみしない人柄である。Radio Metalでは、この快活な男に話を聞いた。彼は難しい時期から解放され、Dream Theaterに永遠に感謝しているという。
自分自身の真価とレベルに気付いていながらも、彼は相変わらず非常に素朴で、このバンドに入ってドラマーの座に就いたと断言することに、まだ畏敬の念を抱きすぎているようだ。自分の身に何が起こっているのかまだ完全にはわかっていないというように、彼は長期的な見通しのことを話すとなると、まだ非常に慎重だ。しかしひとつだけ、しっかりわかっていることがある。マイク・ポートノイはもう戻ってこないということだ。
(写真:原文ページより。撮影者さん不明)
Radio Metal:やあ、マイク。ラジオ局や記者の取材で自己紹介するのには慣れましたか?「やあ、Dream Theaterのマイク・マンジーニだよ」って。
マイク・マンジーニ:[繰り返して]「やあ、Dream Theaterのマイク・マンジーニだよ」。今はもうそう言えるし、信じられるようにもなったよ。僕は一度に一歩ずつ事に対処していく習慣なんだ。もう起こってしまったことだし、今は前進していくことを楽しんでるよ。でも同時に、起こった事実っていうのが豪快だし珍妙だしで、こんな機会が訪れたってことが信じられないよ。
Radio Metal:オーディションから、あなたの名前が公表されるまでには何か月もかかりましたね。このニュースを世界に伝えられないとは、さぞフラストレーションがたまったでしょうね!
マンジーニ:自分の家族にも言えないというのが大変だったねえ。家族は4月18日まで知らなかったんだ。(訳注:4月18日はマイク・マンジーニ氏の誕生日。Dream Theaterの新ドラマーオーディション映像で合格発表を含む Episode 3 が公開されたのは2011年4月28日。あと10日しかないし、誕生日だし、ということでマンジーニ氏のご家族には伝えてよいことになったのかと思われます)つまり2010年11月から2011年4月18日まで黙ってなきゃいけなかったんだ!そりゃ大変だったよ。
Radio Metal:本当に?!誰も知らなかったんですか?
マンジーニ:知らなかったんだよ!知らなかった、知らなかった。知ってたのはものすごく少人数なんだ。何らかの形で関係者だった、ひとつかみの人たちだけが知ってたんだよ。それが事実なんだ。ビジネスの関係でね。ほんのわずかな人だけには話したよ。妻には話した。でも友達や自分の親きょうだいには話せなかったんだ。
Radio Metal:信じられない!
マンジーニ:僕も自分が秘密を守ったってことが信じられない。でも同時に、僕が信用できる人物だと証明して印象づけたくもあったんだ。だからバンドのみんなに僕を信用していいとわかってもらうためには、沈黙を守っていないといけなかったんだ。
(写真:原文ページより。撮影者さん不明)
Radio Metal:ジェイムズ・ラブリエ James LaBrie と既にプレイしたことがあったという事実があるので、オーディションの間は気を楽に持てましたか?
(訳注:マンジーニ氏はジェイムズ・ラブリエのソロアルバム1作目 "Keep It To Yourself"(1999年)、2作目 "Mullmuzzler 2"(2001年)、3作目 "Elements of Persuasion"(2005)に参加)
マンジーニ:どうなんだろうなあ、実際は。気を楽に持てた理由かもしれないこととしては、1回だけ、マイク・ポートノイが僕をステージに上げて、彼の2つのドラムキットのうち1つに座らせてくれたことがあったんだ。
(訳注:2002年3月22日アメリカ、ボストンのOrpheus Theatreで。そのときの録音が非公式ブートレグ "WHEN MIKE & MIKE UNITE" として存在していて YouTubeに投稿 されています。)
僕はマイクが共演した、本当に本当に最初のドラマーなんだよ。僕がステージに上がってどうなったかと言うと、それは妙な塩梅だったよ。僕はどんな曲をやるのかもわからない。わかっていたことといったら、マイクが僕に向かって「俺についてこい」と言ったことだけだよ。だから僕はただ彼についていって、彼がプレイしたことをまねして合わせただけなんだ!その経験があったことで僕が気を楽に持てたかどうかはわからないけど、気を楽に持てた理由は、自分が準備をしてたからだということはわかってるよ。
Radio Metal:あのドキュメンタリー The Spirit Carries On では、あなたがいちばんあのバンドに入りたいと思っていることは明らかでしたよ。バンドのみんながドラマーを選ばなければならないとなったとき、そのことがあなたに有利に働いたと思いますか?
マンジーニ:うん、ある程度は有利に働いただろうね。そうなるように意図していたからね。ハートの面でも理性的な意思の面でも。言い換えれば、細心の注意を払って、そうなるようにしていたんだ。しっかり準備をしてきていて、技術も身につけているということを見せた。このバンドに入りたいと思っていたんだから全員のパートを覚えた。全員に対してとても尊敬の気持ちを持っていたんだ。バンドに入りたいという思いは、木の種みたいなものだよ。いい種から生えてくるものは全部いいものなんだ。
それで、他のことも全部、このバンドに入るためなら単純なことだと思ってやることができたから、その点でも僕にとって有利に働いたんだ。もし有利に働かない場合があったとしたら、それはバンドのみんなが、事実として演奏がいちばん巧い人だけを必要としていて、加入希望者が20人も集められていて、そんな気持ちなんぞには本当にあまり構わない、という場合かな。その場合、僕のオーディションが完璧で、ミスもせずそのレベルまで演奏できたのが僕1人だったんなら、それが僕が選ばれた理由になるんだろうね。
Radio Metal:バンドの新メンバーがファンに紹介されるときのリアクションというのは、時には否定的にもなり得ますし、とても愛されていたメンバーと交代するとなると、攻撃的にもなり得ますが、インターネット上のフォーラムなんかを見ていると、あなたはすごく熱烈に歓迎されている様子ですね。これはなぜだと思いますか?
マンジーニ:僕もファンみたいなものだからだと思う。ファンのみんなは僕もファミリーの一員だと思ってくれているんだと僕は信じているんだ。僕のキャリアも全部信じてもらえるように公開してきているしね。言い換えれば、Dream Theaterに入るチャンスが僕に訪れても、僕は自分のありようを変えていないんだ。いつもマイクが好きだったし、いつも彼を尊敬していたし、いつもDream Theaterが好きだったし、いつも彼らを尊敬していたんだ。いつもドラムとその演奏の愛好者で、自分のことを世界に向けて公にしてきた。サインもするし、人とも話す。そういうことを20年やってきたからね。だから僕は別の誰かになんかならなかったんだ。そして、Dream Theaterのファンはとても知的好奇心が旺盛で、とても知性的だと僕には見えるんだけど、みんな各自にリサーチをしてるんだと思う。僕は演じる必要もなかったんだ。みんなもう僕を知ってるんだからね。僕が自分の人生を全部公開してきたから。それが、僕を歓迎してくれた人たちが僕を受け入れてくれた理由だと思う。
Radio Metal:メンバーを変えたバンドというのはことごとく、あとから「オリジナル・ラインナップ再結成」にとりつかれたハードコアなファンたちからの攻撃に悩まされるものですよね。KISSにもGuns N' Rosesにもそれが起きましたが、これは新メンバーにとってはとても失礼なことになりますね。お決まりの例に漏れず、こういうことが起こった場合、どう対処されますか?
マンジーニ:まあ、僕はお気楽者だから!(笑)流れに身を任せてバンドに協力的でいるだけさ。それが僕のやり方だよ。
(写真:原文ページより。撮影:Jordan Rudess Ow.ly に投稿)
Radio Metal:でも最近のインタヴューで、あなたはこのオーディションの話を受ける前にはどん底で、人生をどうしたらいいか自分自身に問うていたことを覚えている、と言っていましたね。そんな絶望的な気持ちは、どこから来たのですか?
マンジーニ:どこなんだろうね。人生がどうなるか考えていたというのは、ケガをしていたからなんだ。
(訳注:右膝に長年のダメージが蓄積して突然動かなくなり自宅ガレージではしごから転落して半月板を損傷、2009年に手術を受けた。演奏活動への復帰は2010年前半のエディ・ジョブソン Eddie Jobson主催Ultimate Zero Projectツアー。6月に来日。しかし10月のDream Theaterオーディションの時期にもまだ完全復活とは感じていなかった。2011年のDRUMHEADインタヴュー(和訳)で言及されています。)
もうひとつには、長時間仕事をしていたから(訳注:2000年から2010年にDream Theater参加が決まるまでボストンのバークリー音楽大学で教授の職にあった)練習する時間をたくさん取るわけにいかなくて、それをどうやったら変えられるのかわからなかったんだ。それから、僕は新しいドラムセットを構成してたんだけど、ほとんどのバンドが、いや実際は誰も、使わせてくれそうにない代物だったんだ。だから「さて、どうやって足を治すか?どうやって練習時間を作るか?どうやってこの新しい、個性的な、美しい構成のドラムセットを使うか?」と考えてたんだ。その答えがわからなかったんだよ。
Radio Metal:安定したバンドに入っていないという状況はつらいものでしたか?
マンジーニ:うん。2、3年だけでも、バンドに入っていないというのはつらいものだとわかったよ。生活が変わっても、2000年から2005年までの間は、教職の仕事がしたかったし家にいて家庭を築きたかったので、つらくはなかったんだ。だけど、ひとたび他のことをやりたいと思ったら、つらくなってしまったんだ。
Radio Metal:安定したバンドに入っていないというのは、言わば、女性と真剣な長続きするおつきあいをしていないようなものですか?
マンジーニ:その通り!(笑)音楽に、違ったいろんな方法で接するというのも時には楽しいものだけど、でも、僕にとっては、1つのバンド、1つのファミリーに加入していたほうが幸せなんだ。
Radio Metal:あなたほどのレベルで、今までにそういう長続きするバンドに入っていなかったという状況はどうして起こったんでしょうか?この完璧なバンドが現れるのを待っていた、ということですか?
マンジーニ:ここでも答えが同じになるんだけど、ファミリーを作って家にずっといたかったんだよ。この場合、僕は収入のことを考えないといけなかったんだ。だから単純に、どのバンドにも入れなかったんだよ。言い換えれば、自分の生活をそれだけで支えられるほどのバンドに入るのは難しかったということなんだ。バークリー音楽大学の教授だったし、世界でもいちばん仕事中毒なドラムクリニック講師の1人でもあったし、自分で仕事を作ることもできる状況だったんだ。仕事をしたいと思ったらいつでもEメール1通で仲間を呼んでスタジオワークもできた、というわけだよ。それと同じぐらいに収入を得られるような、ひとつのバンドに入るというのは難しいことだった。ドラマーが辞めるか亡くなるかしないと、そんな機会は見つからないわけだからね!で、そんなことってそんなしょっちゅう起きないんだから、そりゃ難しいよ!
Radio Metal:今回が、安定したバンドに入る初めての経験なわけですね。新経験は、どのような感じですか?
マンジーニ:うん、本当に新鮮な経験だね。すごくわくわくしているよ。このバンドが安定しているのは、ジョン、ジェームズ、ジョン、ジョーダンが安定しているからなんだ。彼らはとてつもなくすばらしい人たちで、しっかり安定していて、とても、とても、よく仕事をする人たちだよ。それが安定している理由だし、僕の今までの経験では、バンドが安定した人ばかりで、続けたいと思っている人ばかり、というのは、そんなになかったことなんだ。更に、ポピュラーなバンドでもあるという例は、すごく珍しいよ!
(写真:原文ページより。撮影者さん不明)
Radio Metal:新アルバムの曲は既に書き終えられていたので、あなたは作曲には関わらなかったということですが、次以降のアルバムではどうでしょうか?
マンジーニ:わあ、それはわからないな。僕は一度に一歩ずつ事に対処していきたいんだ。僕にとっての第一歩目は、作曲に関わらずにいることだった。理由は2つあって、1つは、ジョン、ジョン、ジェームズ、ジョーダンが一緒に、初めてドラマーがいない状態での作曲というのをやってみたかったんだ。このバンドのファンとして、本当にその結果を見てみたかったし、だから僕も同意したんだ。彼らにまったくドラマーがいない状態での作曲という経験を本当に楽しんでほしかった。もう1つの理由は、することがたくさんありすぎたからだよ!言い換えれば、まだバークリーでフルタイムの仕事をしていたし、レコーディングのために装備を用意しないといけなかったんだ。全部の装備をそろえるのに3ヶ月かかってしまったんだ、誰にも話せなかったからね!たくさんのことをする必要があったんだけど、全部自分でやる必要もあったんだ。
Radio Metal:このインタヴューで、あなたはもう2回、一歩一歩、事に当たりたいんだということをおっしゃいました。とても慎重になろうと努めて、熱狂的になりすぎないように努めているようですね。何か心配していることでもありますか?
マンジーニ:ああ、どう言ったらいいかなあ……僕はこのバンドに加入できたということに、とても感謝していてありがたいことだと思っているんだ。ドラムを演奏できる機会があるというだけで感謝してるんだよ。ドラムを演奏するだけでとても楽しいとわかってから、もう長い年月がたった。言い換えれば、今のところ、それ以上のことは何もやりたいと思わないんだ。ただドラミングに没頭していたいんだ。作曲に参加しようと思ったら、自分のドラムの仕事に感謝したり集中したりしているどころじゃないねえ。
Radio Metal:今度のアルバムでは、ジョン・マイアング John Myung とジェイムズ・ラブリエが、今までのアルバムよりも作曲に大きく関わっているかどうか、ご存じですか?彼らはまた歌詞を書いていますか?
マンジーニ:ジョン、ジョン、ジェームズが歌詞を書いているよ。
Radio Metal:そして、マイク・ポートノイのヴォーカル・パートは誰が歌いますか?あなたが?
マンジーニ:僕じゃないな!(笑)バンドのみんながどうしたいのかわからないな。リハーサルでどうするか決めると思うよ。
Radio Metal:ジョーダン・ルーデス Jordan Rudessが歌い方を知っているということはわかっているんですけどね。彼はDream Theaterで歌い始めるでしょうか?
マンジーニ:わからないなあ。それもだけど、そういうバンド全体の決定事項はリハーサルで決めるんだ。僕は自分のやるべきことに深く集中してて、その、やるべきことっていうのは、ただ曲を覚えることだけじゃないんだ。僕のタイミングの取り方が強烈でかっちりしているから、アルバムに合ったテンポで演奏する練習をしているところなんだ。それがリハーサルに行くとき、僕が主に集中することなんだ。他のみんながそれまでやっていなかったけど今はやりたいというテンポが出てきたときでも、演奏してみなきゃいけないんだ。それから、今度のツアーの準備でも、曲を覚えるのは一層、一生懸命にやっているよ。僕のすることは全部みんなが見ていて、細部まで見られるんだからね。だから今回は、僕はちょっと他のみんなより頑張らないとね。で、そんなわけだから、ヴォーカルのことは気にしてなかったんだ。
(写真:原文ページより。撮影者さん不明)
Radio Metal:マイク・ポートノイとジョン・ペトルーシは今後もう一緒に演奏しないなんていうことは不可能だと明言しました。彼らは深い絆で結ばれていますからね。そのことについては、あなたの身に危険がのしかかっているような印象を受けますか?
マンジーニ:いや、いや、全然。マイクのことは大好きだからね。彼は友達なんだ。Dream Theaterのみんなは今では僕の新しい兄弟なわけで、誰かを好きになったら、その人のやりたいことをさせるでしょ。だからそれが危険として僕の頭上に迫ってるとか、そんな風には全然感じないよ。このバンドにずっといられるんだから、僕はとても快適に思ってるよ。マイクは戻ってこないんだ。そういうことに決まったんだ。ドラマーは僕で、そして僕が最後だよ。僕はそのことを固く信じているよ。僕がそう確信するのは、そうなるという話がバンド側からあったからじゃないよ。バンドのみんなが僕にいてほしいと思ってくれるように、自分がこのバンドのために懸命に働き続けるという事実がわかっているからだよ。
(訳注:2020年10月発売 John Petrucci ソロアルバム2作目 "Terminal Velocity" にマイク・ポートノイ氏参加。
更にポートノイ氏、ペトルーシ氏、ジョーダン・ルーデス氏、トニー・レヴィン Tony Levin氏のLiquid Tension Experimentも2021年4月にアルバム3作目 "Liquid Tension Experiment 3" を発表)
Radio Metal:では、このインタヴューとしてはおばかな質問です。MetallicaのDVD "Some Kind Of Monster" を観ましたか?
マンジーニ:うん、観たよ。
Radio Metal:このDVDで、ロバート・トゥルージロ Robert Trujillo が選ばれたとバンドが発表するとき、歓迎のプレゼントとして100万ドルの小切手を彼に渡すとメンバーが言いますよね。で、Dream Theaterはあなたに何ドルくれましたか?!
マンジーニ:(笑)いや、くれてない、くれてない。バンドが僕にくれたものと言ったらだね、彼らの信頼と、僕の新しい人生だよ。大事だから言っとく。そっちのほうが、ずっと、ずっと、ずっと価値があるよ。で、お金の話にしてもだよ、僕たちがしっかり一致団結していい曲を書いて、更にポピュラーになるなら、100万ドルを数百倍にするポテンシャルを作り出せるよ。信頼があれば、そんなことも起こせる。団結の強いファミリーがいれば、そんなことも起こせる。特に自分が歓迎されていて、重要な位置にいるんだと感じられるときにはね。だからDream Theaterはそんなことは何もしてないよ!(笑)